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直島カフェ まるやのこんな日でした
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春らんまん~taeco asano展&キッチンライヴ
路地からきこえるピアノの練習みたいに、かわいらしい春がやってきました。
この季節に、いつも個展をするという浅野秦恵子さん。
春風とともに、まるやにおいでいただきました。

まるで蝶のみている世界のように、花や野菜に歩みより
クローズアップした画面を、丁寧な油彩画で表現する浅野さん。
彼女の作品が壁にかけられると、部屋じゅうの空気がまろやかに溶けだしました。
そう、たとえば、ミルクをいれた紅茶みたいに!
音楽が同じ1時間を、まったくちがうものに変えるように
1枚の絵が空間をきりひらくことを、あらためて実感しました。

個展期間中のある晩には、「キッチン」さんのライブも行われました。
台所からうまれた、あたたかい音楽を届けてくれたキッチンのおふたり。
浅野さんの絵と、キッチンさんの歌声とことば、お客さまの楽しそうな様子がひとつになって
とんとん、ことこと、ふつふつ…美味しいスープができたみたいな晩でした。
「キッチンさん、いいっすよ!」って紹介してくれたtakeくん、お集まりいただいたお客さま、本当にありがとうございました!

秦恵子さんの絵は、すてきなサプライズもくれました。
個展初日、ひとり旅の女性がご来店。
まるで窓に向いた席をとるように、彼女は壁にかかった絵の正面に座りました。
のんびりとお楽しみの様子で、お食事のあと
1杯のカプチーノを追加されました。


すこしして、秦恵子さんがご来店。
絵を気に入っていただけたように思い、お客さまに「こちらが作家さんです~」と、ご紹介しました。
すると、なんと!秦恵子さん、「もしかして…○○ちゃんだよね??」と!
聞けば、学生のとき、ヨーロッパの美術館をめぐるツアーで一緒になり、旅をした方だったのです!
ここ直島で、こんなかたちで再会なんて!
うわ~っと、一気にいろんな思い出が咲き乱れ、まるでお話の花畑です。
うれしいね!楽しいねぇ。

個展にあたり、「1杯のコーヒーで、みなさんと繋がれたら」とコメントをくださった浅野さん。
浅野さんの絵が寛がせてくれたから、お飲み物をご注文いただいた訳で
それから実際に、出会いもあったのですよね。
本当にありがとうございます。

また会おうね!個展観にいくね!と言って、数年ぶりに一緒の写真におさまり
彼女はまた、旅に戻っていきました。

窓の外には、おだやかな午後の光。
お客さまが席をたったあと、テーブルに残されたカップのたたずまいさえ、いとおしく感じる…。
そんな初心をくれる、春なんです。


# by maruya-naoshima | 2008-04-14 09:29
手紙と願いと、ある光

書きそびれてしまうので、恐縮ですが過ぎた日の物語を…。
はじまりは去年の冬まで戻ります。
直島に素晴らしい作品をつくったジェームズ・タレルさんに、1枚のクリスマスカードを選びました。
深い青に、銀の雪がデザインされたカードに、つたない思いをしたため、路地にあるポストに投函しました。


数週間して。外国の消印のついた封筒が届き、もしや!と、わくわくしながら手にとってみると…。
そこには「転送先不明との理由で返送されてきました。成田国際空港支店」とのスタンプ。
1枚のカードは海を渡り、砂漠のちかくで途方にくれて、また直島に戻ってきたのです。
タレルさんの作品に関するスライドから書き移した住所は、よくよく見てみると、人口数万人のアメリカの都市の名前だけ。
お気楽なわたしも、ここではじめて、アメリカと成田の郵便屋さんとハモってつぶやきました。
「あほやなぁ~。」

いつかまた直島に来られることがあったら、お話しできるかな。
そんな風に考えてカードをしまいました。



そのカードが引き出しの中で眠ってから1ヶ月。想像したよりもずっと早く、その日はやってきました。
家プロジェクト「南寺」の作品「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」の修復作業のために、ジェームズ・タレルさんが直島を訪れたのです。

何ともありがたいことに、ある晩まるやは、タレルさんと美術館のスタッフの方に交流会の場としてご利用いただきました。
多忙なスケジュールの中のわずかな時間とは思わせないほど、彼は本当に丁寧に、スタッフに語りかけます。
「作品を感じ、守り、伝えてくれてありがとう…」と。
日々の業務で、時にはなやむこともあるだろうスタッフの方には、どんなに温かく照らす光となったことでしょう!
そして、この言葉は、作品を愛し、敬意をはらってくださるお客さまへのものでもあり、みなさまに必ず伝えなければと思った次第です。

優しくて、あたたかなタレルさんを囲んでのなごやかな夕べ。しあわせが部屋にあふれている…。
あぁ何という時間だろうと、目を閉じて見渡すこの星のどこかで、いま抱き上げられたばかりの赤ちゃんを思いました。

そんな宴も無事終わり、ほっとするもつかの間。
なんと翌日にもうひとつ、ミラクルは投げられてきた!

修復を完了した「南寺」のお披露目の日。
タレルさんと福武会長はプレス・ツアーで、新聞や雑誌の記者とともに作品を鑑賞。
そのあと、お茶をしに寄ってくださった流れでなんと当店が記者会見場に!

椅子をよせてタレルさんと会長の席がつくられ、お座敷に座った記者のかたが質問を投げかけます。
タレルさんは心をこめて直島への思いを語り、その中で、なんとまるやに関しても、コミュニティの発展例として、信じられないほど愛情にあふれたコメントをくださいました。
わたしはただキッチンで立ったまま、いまこの時を見つめていました。

会見が終わったのち…タレルさんに近づき、何かを言おうと思ったけれど、まるで出来なかった!
タレルさんは微笑んで「元気?」「はい、元気です。」なんてわたしは、まぬけだなぁと思う。
でも言葉にしたら、何かがきえてしまうような気さえしたんだ!
前の晩、マフラーをなくされたというタレルさんに、ありましたかと尋ねると、首に巻いたそれを示して、ここにあるよと笑いました。
そして大きな大きな、ハグをしてくださいました。

冒頭のカードは、何とも不器用で幸福な方法で、タレルさんの手元にわたりました。

直島から金沢、そして新潟へと、自作によって結ばれた、日本をめぐる道へと旅立ったタレルさん。
その向かう先々で、大事な友人との再会があり、また作品のもとで暮らす方たちとの出会いがあったことでしょう。
そして―直島でこそ降らなかったけれど、北に向かう旅の途上で、舞い降りてくる光の最初のひとひらを認めたとき、
そのひとは、心から嬉しそうに目を細めるに違いないんだ!
# by maruya-naoshima | 2008-02-29 09:10
初春の手ざわり
あけましておめでとうございます!
年始から、さっそくのご来店誠にありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

年末の直島はとっても寒かったですね!
みなさま風邪など大丈夫でしたか…?

わたしも日付が変わってすぐに、初詣に出かけてまいりました。
きりっと冷えて澄んだ夜空には、驚くほどあかるい星たち!
むずかしい謎を解いたとも思えないのに、時というのは気前よく「ほいよ~」と新しい年を投げてくれる。
反射的に受けとめた、その手のなかにある生まれたての年は、まっしろでまんまるで、すべすべしていて、ちょっと温かい。
(う~ん、お餅とは何て的確な「新年」の表現なのでしょう!)
笑顔で、あたためて、美しく育てていきたいですね!この2008年も。

そうそう、2005年から始まった「まるやダイアリー」。
その日ご来店のお客さまがつけている、3年日記帳です。
たくさんの素敵なことばでページが埋めつくされ
おかげさまで、今年から2冊目にはいりました。
まったく同じ仕様の日記帳をご用意したのですが、手触りが全然ちがう!
これまたまっしろで、すべすべで、つるつるなのです。
年季の入った1冊目にくらべて、どこか頼りなく、それも愛らしい。
どんな思いやことばで飾っていただけるのか、とても楽しみにしています。

大きな大きなまんまるの幸せがみなさまにありますよう。
ことしもどうぞ宜しくお願い致します!



# by maruya-naoshima | 2008-01-01 23:10
ふちふなさんがきたよ。
さてさて。秋から冬へと移りかわる1日に、まるやでは毎年ライヴが行われます。
なぜかいつもこの時期で、文化祭みたいに楽しみ!(Thank You Musicさん、ありがとう!)
ことしは、「ふちがみとふなと」さんにお越しいただきました。

「ふちがみとふなと」は、「ふちがみ」と「ふなと」=ボーカル渕上純子さんと、コントラバスの船戸博史さんのユニット。大きな楽器やちいさな笛を持って船に乗り、京都からおいでいただきました。ありがとうございます!

ふちふなさんのライヴは初めてです。どんな感じ?と尋ねると、友人たちは「う~ん」とひとこと、目線は空のほうを向き、困ったような、嬉しいような様子。
「…とってもいいんだから!」
沈黙のなかにきこえてくるのは、そんな声。

あっという間に夕方から夜になり、部屋の明かりがあたたかく感じる、そんなころ。
お客さまもマフラーをほどいてお座敷に集まり、座布団にちょこんと。
そしてゆるりと、のびやかにお二人の演奏がはじまりました!

何てかわいくて、かっこよくて、おかしくて、せつなくなるんだろう!

角砂糖をほうりこんですぐ、その甘さがわかるように。
耳にとびこむ音やことばが、考えるでもなくわかるということ。
その不思議、その喜びをしみじみ味わいました。

ふちがみとふなとさん、お集まりいただいたお客さま、ありがとうございました!

彼らのライヴの魅力について話すとき、「う~ん」ともどかしくなる気持ちが良くわかりました。
あの空気を、あの幸福な時間のひろがりを、いつでも見れたらいいのになぁ。
マンガや小説だったら、「いいから読んでみて!」って貸してあげるのに。

実際のところ、その本を携えているのは、ふちがみとふなとのお二人のみ。
だからぜひ、追っかけていって、見せてもらってほしいな~なんて思います。
(さいわいな事に、ふちふなさんは逃げたり隠れたりしない…笑!)
全くもってそれは、「とびだす絵本」なんだから!


# by maruya-naoshima | 2007-12-04 00:49
8月のサントラ
海も青空も太陽も、ふくらんでいるような気がする、夏まっさかりの直島です。
「本日焼きたて~」みたいな、元気に日焼けしたお客さまも多いですね!
ふた夏まえから、この時期、まるやのBGMは「甲子園中継」となっております。

通りのどこかから、あるいは停めてある軽トラックからふと耳にはいるラジオが大好きです。
たとえばぶらぶら歩いている日曜日、開け放たれたアパートの窓からきこえる「のど自慢」に、目まいにも似た幸福を感じたりしました。
そんなイメージで、夏そのものの音がする高校野球中継をお店に流してみたいなぁ…。
思いきってある日、ラジオをつけてお客さまをお迎えしました。

「これ、どうでしょうねぇ…?」と、ひとりの青年にきいてみると、
にっこりとして一言「やばい。」
そんなわけで、8月のサントラは決定しました。

夏はあっという間!1日中行われていた試合も、ベスト16・ベスト8と大会が進むにつれ、夕方にはCDをかけるようになります。
最終日には試合開始から、表彰式まで中継されるのですが、優勝旗が渡される夏の午後には何ともいえない風情がありますねぇ。
ちょっとしんみり…?いやいや、夜になったら花火でも打ち上げよう!なんて。

旅先で、ご近所で、海で、街で、お部屋で。
どうぞみなさま、楽しい夏をお過ごしください!
(画像は直島の野球グランドです♪)
# by maruya-naoshima | 2007-08-11 01:07
まんまるのレッスン
もこもこの入道雲にかこまれて、風鈴がちりん。ミンミンゼミの声もきこえる…。すっかり夏到来の直島です。
夏といえばお祭り!全国のさまざまなお祭りのニュースが毎週のように届き、楽しいですね。

8月4日(土)に、直島町民グランド(小中学校のところです)にて、直島でも夏祭りが行われます。

7時近くなってもまだ暮れず、なんだか得した気分♪のある夕べ。
盆踊りの練習があるから、行きましょうよ!と、ご近所のニコニコ奥さんに声をかけていただきました。

体育館で盆踊りの練習。いったい何年ぶりだろう!?
はじめはちょっと、はずかしいけれど、見よう見まねで輪に入ります。

前で踊るおばあちゃんの、うちわさばきや、かかとにつま先を「ちょん」とつけるしぐさの何と可愛らしいこと!
う~ん、どうやるんだろう?なんて、だんだん夢中になるのがおもしろい。
幼稚園児のかわいい女の子も、小さなうちわを持って楽しそう。
そんなこんなで夏の夜も青く暮れていきました。

小さな体育館で思い出していたこと。
じつは前日の同じ時間、倉敷でくるりを観ていたのですが、その会場にあふれた大きなト音記号のような渦巻きと、今ここでホームカラオケのスピーカーの前に作られたちいさな輪とは別々のものじゃないというか、つながっているなぁと思えました。何でだろう?

さて、そんな風に準備万端で(?)お待ちしておりますので、8月4日の晩に直島においでのお客さま、お祭りにぜひ遊びにきてくださいね。
よかったら一緒に盆ダンス、しませんか?「入んな!入んな!」って、ひっぱりますよ~(笑)
ことしの夏も、笑顔いっぱいになりますよう。
# by maruya-naoshima | 2007-07-25 07:00
きみの話をしていたんだ。
新緑の木々をゆらす風もとても爽やか。とてもすてきな季節になりましたね。
直島にも、渡り鳥のように遠くからお客さまが来てくださっています。

えと、こういう告知はお恥ずかしいのですが、先日雑誌をつくるお仕事のかたにおいでいただきました。
聞いていただけるのをいいことに、とりとめないお話をしたような気がします。
こんなお客さまが来てね。
こんなふうに、助けてもらっていてね。
あの町には、ともだちがいてね。
お返事の書けていない、すてきな手紙もあるのだけれど。

直島に来て会えたひと、旅するお客さま、そして前からのともだちのこと。
いつもそんな話をしています。
「あぁまるちゃんは、また自分の話をしているな~」という気がしたら、それはほんとうなんです。
(そんでI hope you don't mind!)

夜のラジオで、アナウンサーが全国各地の日の出の時間を読み上げるとき、いろんなひとのお顔が浮かびます。
ほんとうにありがとうございます。

今も直島をめざして、飛んできてくださっているお客さまがいるかな?
たくさんの喜びや驚きがある、旅になりますよう。
# by maruya-naoshima | 2007-05-23 03:31
幸せな忘れもの

旅先ということもあってか、お客さまが帰られた後、ときどき忘れ物を見つけることがあります。
すぐ気がつけば、追いかけていくのですが。
今日、閉店後の清掃をしていたところ、畳の上になんと!四つ葉のクローバーのお忘れ物。
しかも2つも!
手にとると、まだ完全に乾いていなかったので、きっと直島でお客さまが見つけたものでしょう。
そういえば、ベネッセハウスさんの上には、クローバーが咲いていたなぁ…。
2つの四つ葉をみつけながら、どんな時間が流れたのでしょうか。
おしゃべりしながら、もしくは黙々と無心になってさがしたのかな?
このお忘れ物は、まるやの日記にはさんでお預かりすることにします。
「あ!」というお客さま、どうぞお気軽にご連絡くださいね。
# by maruya-naoshima | 2007-04-22 03:44
Naoshima Standard2(goes on)
2007年4月15日、スタンダード2展が無事閉幕いたしました。
最終日の夜、港の顔としておなじみとなったコーンのあかりを消して、クロージングとなりました。
消灯前、愛着のあるあかりの中で、仲間とはしゃぐ美術展スタッフさんたち。写真におさめる島のひとたち。みんなこどもみたいにキラキラしていました。

「消灯」のコール。
ふたたびの闇、そして拍手。
けれど、
ふしぎなことに、このあかりは、消えないらしい!

舞台となった直島に暮らすみなさま、
スタンダード2に思いを寄せてくださったみなさま、
遠くから参加してくださったスタッフのみなさま。
あたらしい空間を切りひらいてくださったアーティストのみなさま。
ありがとうございました!
# by maruya-naoshima | 2007-04-16 04:27
まめにわらう
春休み、直島に遊びにきたお客さまは、ウグイスの声を耳にされたでしょうか?
たどたどしかった「ホ~ホケキョ」が、暖かくなるにつれて上手になってくるのは、なんだか嬉しいことですね。
この春、あたらしい場所でスタートをきる方も多いことでしょう。
変化にわくわくして、でもちょっと慣れないことや、少しのとまどいもあるかもしれませんね。
そんな帰り道、夜のスーパーマーケットで、そら豆にあえたらいいなぁ。
春そのもののような緑色のさやは、ぴかぴかなのに、優しい産毛の感触があって。開くと、これまた美しいすべすべのお豆があらわれます。
ふかふかのわたの中に、数粒のお豆がもっともらしく座っているのには、なんだか微笑んでしまいますね。「起こしてごめ~ん」と言いたくなります。
そら豆が伸びをしてさやからでてくるとき、あたらしい生活がまたひとつ素敵になったのかも。
がんばれフレッシャーズさん♪
# by maruya-naoshima | 2007-03-25 21:00