IE9ピン留め
直島カフェ まるやのこんな日でした
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りんご
今年も、赤く実ったりんごが届く季節となりました。


3月のある晩のことを思い出します。

あの痛ましい日から、数日。
たまたま予定をしていたわたしは、札幌にいました。

まだ被害の全貌も分からない頃
街を歩く、静かな姿も混乱を内に秘め
この国で傷ついていないひとは、誰もいないようでした。

そんな晩、伺った小さなお店。
あたたかい灯の下、長い木の机の前には
すずめが暖をとるように、並ぶいくつもの背中。
知らないひと同士が、椅子をつめて座る狭さに
安心したかったのかもしれません。

「こんな時こそ、普通に生活してください。それがまずは支援になる…というけれど
どうしていいのか、分からなくなるんです」

おだやかな女主人が、素直に混乱を口にして、それでも何とかほほえみながら
机の上に置いてくれたのは、丁寧に切り分けられたりんごでした。

わたしは心のこもったそのお皿を見て、思いました。
今してくださったように、ひとつひとつりんごをむいて、きれいに切り分けていく
そんなことから、日常が戻ってきてくれるのではないかと。


忘れてはいけない1年も、残りわずか。
北の町では、赤い実の並ぶ窓枠に雪がかかるのでしょうか。

ことばにならない思いとともに
改めて心をこめて
お祈り申し上げます。

# by maruya-naoshima | 2011-11-15 06:17
あたたかい蝉の声
夏まっさかりの直島を歩いていました。
コンクリートが熱く焼け、路地もゆらゆらとして。
青空からは、いったい何匹鳴いているのか、大きな大きな蝉の声。

途中お会いした直島の方に
ちょっと嬉しいことがあったとお話をしたら
まるで自分のことのように喜んでくださいました。

わたしは直島のために何もしていないのに
どうしてみなさん、こんなに温かいのでしょう。

なんだか胸がいっぱいになりながら、路地を歩きました。

その帰り道では、のしかかるような暑さも、圧倒されるような蝉の声も
やさしく包みこんでくれるものに感じました。

思えば、7年前に移住してきた自分。
今年鳴いている蝉は、その時から一緒にいてくれたのだと気づきました。

長かったかな…短かったかな?土の中の時間は。
そしてたくさん鳴いて、この夏の思い出をくれるんだね。
ありがとう。

# by maruya-naoshima | 2011-08-01 22:14
ありがとう
本日、家プロジェクトのアート作品でもある
護王神社にて、挙式することができました。

今日のことが実現するまでには、たくさんの方にご協力頂きました。
本当にありがとうございました。

護王神社さんは、とても大切な場所です。

「直島にちいさなカフェを作りたいと思うのですが…」
いち旅行者として訪れたとき、そんな夢のようなつぶやきを、最初に聞いてくださったのも護王神社さんでした。

すばらしい島の方たちとの幸運な出会いを得て、夢が実現することになり単身移住した7年前。
店の工事中、怪我がないようにお祈りしたのもこの場所でした。

それからもずっと、日々生まれる思いや出来事を報告してきました。
ガラスの階段でつながれた神様は、わたしの事をほとんど全てご存知といっていいでしょう。

そのような場所で、直島のみなさんの笑顔に囲まれ、温かい祝福を頂戴し
誓いを立てられたことに、心より感謝しております。

実は、着付けが始まっているのにまだ雨が降っていて、もう気が気ではなかったのですが
式のときには、晴れました。ふぅ。
ご心配おかけしました。

直島の空、海、今日の日を忘れません。
本当にありがとうございました。
# by maruya-naoshima | 2011-04-23 22:12
ココロの景色 ボーダーレス・アートミュージアムNO-MA

全国からいただいているフライヤーを、ぱぱっとご紹介していきたいと思います。

滋賀県近江八幡市 ボーダーレス・アートミュージアムNO-MAでは
2011年2月19日~5月29日まで、「ココロの景色」展が開催されます。

アール・ブリュットとじっくりほっこり向き合える、素晴らしい空間です。
以前1度だけおじゃましたことがありますが、近江八幡の町並みの印象もとてもすてきで、忘れがたいです。

会期も長いので、どうぞ機会をみておでかけください~!
# by maruya-naoshima | 2011-01-31 23:29
はつ春の およろこび 申しあげます。
2011年、あけましておめでとうございます。

あたらしい年、みなさん色とりどりの思いを抱いていらっしゃることでしょうね。

おかげさまで、まるやは満7年の春を迎えることになります。

また、向こう見ずな勇気(?)と、元気だけをもって、ひとりでバタバタと走ってきましたが
ことしからは伴侶を得ての、あたらしい日々のはじまりとなりました。
ともにお客さまをお迎えすることもあるかと思います。

自分の存在すべてでつくりあげた、この世にひとつの仕事を、直島から遠くはなれた町に持っているひとですので
この小さなカフェまるやが あり続けることは、ちょっと奇跡のようでもありますが。

直島って、カフェまるやってなんだろう。店主とはどんな人間だろう。と
根気強く問い続けてくれたそのひとに
心より。感謝いたします。
機会があれば、またお話ききたいところですが、さて。

7年間。なかなかの歳月ですね。
直島はますます輝きを増しているように思えます。
これという事情もなくウトウト眠っていたブログですが、またひょっこりと起き出すことをお許しくださいませ。

よちよち歩きのまるやも、老舗だなんて言って頂くようになりました。
でも、わたしは全くそんな気はしません。
日々出会うことに、いちいち驚き あわてふためき
こころがドタバタ踊ったり 時には立ちつくしたままだったり
そんな永遠のビギナーでありたいと思っております。

どうぞ本年も よろしくお願いいたします!
# by maruya-naoshima | 2011-01-01 23:34
きょうは何の日?
全国からお客さまを迎える直島にいると、訪れたことのない町にもなつかしい場所ができたりします。
たとえば、北九州市・黒崎にある「はやし時計店」さん。
楽しいお便りのやりとりで、幼いころを過ごした商店街のように親しい気持ちにさせて頂いています。

きょう6月10日は、時の記念日。
現在76歳で現役時計職人のご主人に、お祝いのメッセージをお送りしました。
13の歳から、時計の道ひとすじ…。
激動の時代を、うでひとつで乗りこえてこられました。
いったい何回目の記念日なのでしょうか。
(このお写真はご主人がお若いときのものですって。すてきですね!)

時というかたちのないものを、目にみえるようにする時計。
それを手にとり、見つめる職人さんの内には、誰も知らない哲学や科学が生まれていそうで。
商店街にひっそりとある時計屋さんは、宇宙につながっているかも…なんて。

それともうひとつ、きょうは、夢の日。
夢の実現へ背中をおしてくれたひとに、いまここにあることに
心から感謝いたします。

実はそんな日があればいいなと思って、2年前につくった「夢の日」なんです。
夢は「む」、叶うという字には「10」がある!「夢中」とも読めるし!と6月10日にしました~。
いつもながら、照れくさいことをやっちゃうたちですねぇ。
「Over the Rainbow」をうたった可愛いジュディ・ガーランドの誕生日というのは嬉しい偶然です。
みなさまもよかったらひととき、ご自身の夢をみつめてみては…?

みなさまへの感謝をあらわした、ささやかな記念日です。
夢の島・直島にある、かたちない光の塔のように―。
おっとやっぱり、同じ日ですもの、時計塔かなぁ、林さん♪
# by maruya-naoshima | 2009-06-10 22:29
はと個展「なおしま絵日記」やっています。
季節はいつのまにやら、過ぎていくもので。
お話したいこともあれこれ。なのに手つかずですみません!
今日も直島は元気です♪

さてさて。すてきな個展のごあんないをぜひ、させてください。

広島県出身・東京在住の絵描き(ときどき旅人)、はとさんの個展
「なおしま絵日記」を開催しております。



はとさんがはじめて直島に来てくれたのは…いつだったかな??
ぽかぽか穏やかな女の子、はとさんは、路地の猫みたいに直島になじんでいたよね。

アクリル画の作品も、なつかしくて丁寧でとてもチャーミング。
彼女に直島の風景を描いてほしい!ぜったい似合うはずっ!!
そんな願いをきいてくださったはとさん。
直島のかわいい風景を、実際にあるいてみつけてくれました。

あ、おうどんやさんに、これはあの路地。「横断坊や」も!
旅するみなさんが、思わずシャッターを切るその場所が、すてきな絵画作品に。
「ここはあそこかな?」「そうそう。」と、島のかたもお馴染み風景を再発見して楽しんでらっしゃいます。

はとさん、本当にありがとう♪

「なおしま絵日記」会期は5月31日までです。
たくさんのオリジナルグッズも取り揃えておりますので、どうぞお気軽に遊びにいらしてくださいね。
# by maruya-naoshima | 2009-05-26 00:23
はじまりのよろこび
2009年。新年あけましておめでとうございます!

元旦より元気に営業しております。
いつものお客さま、直島であたらしい年を過ごしたお客さま
たくさんのお顔をお迎えしました。
みなさん、まんまるえがおです。

気づけば、カフェまるやもこの春満5歳。
ただ、日々の鍵盤をひとつひとつたたいてきたの私としては
ふと振り返ったときにうまれているメロディに驚きをかくせません。
まいにちってすごいですね。
本当にすべてみなさまのおかげです。
心よりありがとうございます。

いやぁそれにしても、ここまで。
なさけなくてかっこよくて
かわいくて手に負えない、例のあいつが、連れてきてくれたんだな~と思います。
あえて名前を呼んでみようかな?「おいでロックンロール。」

2010年には瀬戸内国際芸術祭の開催が決定しております。
直島をはじめ、瀬戸内海の島々が舞台の「アートと海を巡る百日間の冒険」。
なんてわくわくするのでしょう!
静かな新年の直島にも、そのはじまりの足音はたしかに聴こえています。


これからの瀬戸内、直島、そして私どものちいさな、カフェまるや。
うまれてそだってくサークルを、どうぞ見守ってください。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
# by maruya-naoshima | 2009-01-01 07:15
春らんまん~taeco asano展&キッチンライヴ
路地からきこえるピアノの練習みたいに、かわいらしい春がやってきました。
この季節に、いつも個展をするという浅野秦恵子さん。
春風とともに、まるやにおいでいただきました。

まるで蝶のみている世界のように、花や野菜に歩みより
クローズアップした画面を、丁寧な油彩画で表現する浅野さん。
彼女の作品が壁にかけられると、部屋じゅうの空気がまろやかに溶けだしました。
そう、たとえば、ミルクをいれた紅茶みたいに!
音楽が同じ1時間を、まったくちがうものに変えるように
1枚の絵が空間をきりひらくことを、あらためて実感しました。

個展期間中のある晩には、「キッチン」さんのライブも行われました。
台所からうまれた、あたたかい音楽を届けてくれたキッチンのおふたり。
浅野さんの絵と、キッチンさんの歌声とことば、お客さまの楽しそうな様子がひとつになって
とんとん、ことこと、ふつふつ…美味しいスープができたみたいな晩でした。
「キッチンさん、いいっすよ!」って紹介してくれたtakeくん、お集まりいただいたお客さま、本当にありがとうございました!

秦恵子さんの絵は、すてきなサプライズもくれました。
個展初日、ひとり旅の女性がご来店。
まるで窓に向いた席をとるように、彼女は壁にかかった絵の正面に座りました。
のんびりとお楽しみの様子で、お食事のあと
1杯のカプチーノを追加されました。


すこしして、秦恵子さんがご来店。
絵を気に入っていただけたように思い、お客さまに「こちらが作家さんです~」と、ご紹介しました。
すると、なんと!秦恵子さん、「もしかして…○○ちゃんだよね??」と!
聞けば、学生のとき、ヨーロッパの美術館をめぐるツアーで一緒になり、旅をした方だったのです!
ここ直島で、こんなかたちで再会なんて!
うわ~っと、一気にいろんな思い出が咲き乱れ、まるでお話の花畑です。
うれしいね!楽しいねぇ。

個展にあたり、「1杯のコーヒーで、みなさんと繋がれたら」とコメントをくださった浅野さん。
浅野さんの絵が寛がせてくれたから、お飲み物をご注文いただいた訳で
それから実際に、出会いもあったのですよね。
本当にありがとうございます。

また会おうね!個展観にいくね!と言って、数年ぶりに一緒の写真におさまり
彼女はまた、旅に戻っていきました。

窓の外には、おだやかな午後の光。
お客さまが席をたったあと、テーブルに残されたカップのたたずまいさえ、いとおしく感じる…。
そんな初心をくれる、春なんです。


# by maruya-naoshima | 2008-04-14 09:29
手紙と願いと、ある光

書きそびれてしまうので、恐縮ですが過ぎた日の物語を…。
はじまりは去年の冬まで戻ります。
直島に素晴らしい作品をつくったジェームズ・タレルさんに、1枚のクリスマスカードを選びました。
深い青に、銀の雪がデザインされたカードに、つたない思いをしたため、路地にあるポストに投函しました。


数週間して。外国の消印のついた封筒が届き、もしや!と、わくわくしながら手にとってみると…。
そこには「転送先不明との理由で返送されてきました。成田国際空港支店」とのスタンプ。
1枚のカードは海を渡り、砂漠のちかくで途方にくれて、また直島に戻ってきたのです。
タレルさんの作品に関するスライドから書き移した住所は、よくよく見てみると、人口数万人のアメリカの都市の名前だけ。
お気楽なわたしも、ここではじめて、アメリカと成田の郵便屋さんとハモってつぶやきました。
「あほやなぁ~。」

いつかまた直島に来られることがあったら、お話しできるかな。
そんな風に考えてカードをしまいました。



そのカードが引き出しの中で眠ってから1ヶ月。想像したよりもずっと早く、その日はやってきました。
家プロジェクト「南寺」の作品「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」の修復作業のために、ジェームズ・タレルさんが直島を訪れたのです。

何ともありがたいことに、ある晩まるやは、タレルさんと美術館のスタッフの方に交流会の場としてご利用いただきました。
多忙なスケジュールの中のわずかな時間とは思わせないほど、彼は本当に丁寧に、スタッフに語りかけます。
「作品を感じ、守り、伝えてくれてありがとう…」と。
日々の業務で、時にはなやむこともあるだろうスタッフの方には、どんなに温かく照らす光となったことでしょう!
そして、この言葉は、作品を愛し、敬意をはらってくださるお客さまへのものでもあり、みなさまに必ず伝えなければと思った次第です。

優しくて、あたたかなタレルさんを囲んでのなごやかな夕べ。しあわせが部屋にあふれている…。
あぁ何という時間だろうと、目を閉じて見渡すこの星のどこかで、いま抱き上げられたばかりの赤ちゃんを思いました。

そんな宴も無事終わり、ほっとするもつかの間。
なんと翌日にもうひとつ、ミラクルは投げられてきた!

修復を完了した「南寺」のお披露目の日。
タレルさんと福武会長はプレス・ツアーで、新聞や雑誌の記者とともに作品を鑑賞。
そのあと、お茶をしに寄ってくださった流れでなんと当店が記者会見場に!

椅子をよせてタレルさんと会長の席がつくられ、お座敷に座った記者のかたが質問を投げかけます。
タレルさんは心をこめて直島への思いを語り、その中で、なんとまるやに関しても、コミュニティの発展例として、信じられないほど愛情にあふれたコメントをくださいました。
わたしはただキッチンで立ったまま、いまこの時を見つめていました。

会見が終わったのち…タレルさんに近づき、何かを言おうと思ったけれど、まるで出来なかった!
タレルさんは微笑んで「元気?」「はい、元気です。」なんてわたしは、まぬけだなぁと思う。
でも言葉にしたら、何かがきえてしまうような気さえしたんだ!
前の晩、マフラーをなくされたというタレルさんに、ありましたかと尋ねると、首に巻いたそれを示して、ここにあるよと笑いました。
そして大きな大きな、ハグをしてくださいました。

冒頭のカードは、何とも不器用で幸福な方法で、タレルさんの手元にわたりました。

直島から金沢、そして新潟へと、自作によって結ばれた、日本をめぐる道へと旅立ったタレルさん。
その向かう先々で、大事な友人との再会があり、また作品のもとで暮らす方たちとの出会いがあったことでしょう。
そして―直島でこそ降らなかったけれど、北に向かう旅の途上で、舞い降りてくる光の最初のひとひらを認めたとき、
そのひとは、心から嬉しそうに目を細めるに違いないんだ!
# by maruya-naoshima | 2008-02-29 09:10

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